日本聞き書き学会の和多田に応えるかたちで、天才写真家が創作の秘密を惜しげもなく明かす。軽妙な語りの中にドキッとする言葉が多数ちりばめられている。カメラ選びについて、レンズについて、フィルムについて、構図について。天才が写真術のすべてを語るが、そこから聞こえるのは「写真っつーのはさ、生きることなんだよね」(帯)ということ。新書ということもありアラーキーの真実を広く伝えることに成功した好著。