本書は、海洋生物学者としていち早く環境破壊に対する警告を鳴らした『沈黙の春』の著者レイチェル・カーソンの遺作として、彼女の友人たちによって出版されました。本書で描かれているのは、著者が毎年、夏の数か月を過ごしたメーン州の海岸と森。その美しい自然を幼いロジャーと探索し、雨を吸い込んだ地衣類の感触を楽しみ、星空を眺め、鳥の声や風の音に耳をすませた時間を、詩情豊かな筆致でつづっています。すべての子どもが生まれながらに持っている「センス・オブ・ワンダー」＝「世界の神秘、不思議に目を見はる感性」を、いつまでも失わないでほしいという著者の願いが込められている本書は、子どもと一緒に世界と向き合い、感動を分かち合ってくれる大人が側にいることの大切さを伝えてくれます。