農林中央金庫

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農林中央金庫が巨額の赤字を発表:なぜこうなったのか徹底的に分かりやすく解説します

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2024年11月19日、農林中央金庫が、今年の9月までの6か月間(2024年4月~9月)の業績を発表しました。その結果、なんと8939億円の赤字になったそうです。去年の同じ時期は1443億円の黒字だったので、大きな変化です。

このニュースは「農林中金が過去最大の損失を出した」ということで、大きな話題になっています。この記事では、なぜこのような赤字になったのかを、できるだけ噛み砕いて説明していきます。


農林中央金庫ってどんな銀行?

まず、農林中央金庫(略して農林中金)について簡単に説明します。農林中金は、普通の銀行とはちょっと違います。農家や漁業者を支えるための特別な銀行で、全国の農協(JA)や漁協(JF)などが出資しています。


農林中金は、みなさんがよく知る「普通の銀行」ではないため、個人のお客様に口座を提供することはありません。その代わり、農協や漁協が集めたお金を運用して、農林水産業を支えるために使われています。お金を運用するとき、株や国債(こくさい:国が発行する借金の証書)など、いろいろな資産に投資します。この「運用」で利益を得るのが、農林中金の大きな役割の一つなのです。


今回の赤字の理由は「米国の金利」

今回、農林中金が巨額の赤字を出した大きな原因は「海外の金利が上がったこと」です。でも、「金利が上がること」と「赤字」ってどうつながるのでしょうか?

1. 農林中金と外国の国債

農林中金は、集めたお金を増やすために、アメリカやヨーロッパの国債をたくさん持っています。国債は、利息がつく安全な投資先として人気が高いんです。

でも、この国債には注意が必要な点があります。それは金利が上がると、国債の価値が下がるということ。どうしてでしょうか?たとえば、金利が1%の国債を持っていたとして、その後に金利が3%の国債が発行されたら、わざわざ低い金利の国債を買う人はいませんよね。そうなると、古い国債の価値が下がってしまいます。

2. アメリカで金利が急上昇

ここ数年、アメリカの中央銀行(FRB)がインフレを抑えるために金利をどんどん上げています。その結果、アメリカの国債の金利も上がりました。これにより、農林中金が持っていた国債の価値が大きく下がってしまいました。


含み損と実際の赤字の違いは?

ニュースでは「含み損」という言葉も出てきました。含み損とは、持っている資産(ここでは国債)の価値が下がっているけれど、まだ売っていない状態の損失のことです。たとえば、買ったとき100万円だった国債が今80万円に下がっていても、売らない限り「損」は確定しません。これが「含み損」です。

しかし、農林中金は、この下がった国債を売らざるを得ない状況に追い込まれました。なぜなら、ドルを調達するコストが上がり、運用がうまくいかなくなったからです。この「売ったこと」で、損失が確定し、赤字になってしまったのです。


さらに赤字が増える可能性も?

奥和登(おくかずと)理事長は記者会見で、「今年度の損失は1.5兆円を超える可能性が高い」と話しました。1.5兆円という金額は、過去最大の損失です。これがどれくらいの大きさかというと、たとえば地方の銀行100個分以上の利益が吹き飛ぶほどの金額です。


農林中金はどうするの?

農林中金は、今後の金利上昇に備えて、リスクを減らすための対策を進めるとしています。また、運用の仕方を見直して、国債以外の安定した投資先を探しているとのことです。ただ、金利の動きは予測が難しいため、完全にリスクをなくすことは難しいでしょう。


今回の問題から私たちが学べること

今回のニュースから、いくつか大切なことが分かります。

  1. 金利の動きが経済に与える影響は大きい
    金利が上がると、銀行や企業だけでなく、家計にも影響が出ます。たとえば、住宅ローンの金利が上がったりするからです。
  2. リスク分散の重要性
    お金を増やそうとするとき、一つの投資先に頼るのは危険です。農林中金のように国債を中心に運用していると、金利の変化による影響を強く受けてしまいます。
  3. 世界経済とのつながり
    今回の問題は、アメリカの金利上昇が原因でした。日本国内の経済だけでなく、海外の動きにも目を向ける必要があります。

まとめ

農林中央金庫が発表した巨額赤字は、アメリカの金利上昇が主な原因でした。農林中金の運用がこれほど大きな損失を出したことは、多くの人にとって驚きだったかもしれません。けれども、今回のニュースは、私たちが経済の仕組みや金利の影響について考える良い機会にもなります。これからもニュースを通じて、経済について学んでいきましょう。

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