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ブックレビュー

心に響く稀代の名作-「もう明日が待っている」鈴木おさむ著-

放送作家としてのキャリアに終止符を打つ、鈴木おさむが贈る覚悟と真実の一冊「もう明日が待っている」は、2024年3月27日に発売されました。この作品は、20年以上にわたる鈴木おさむとSMAPの軌跡を描いた「小説SMAP」として、ファンのみならず多くの読者を魅了することでしょう。本レビューでは、本作の魅力を深く掘り下げご紹介します。

メンバー脱退や震災を背景に描かれる濃密なドラマ

本作は、SMAPという国民的アイドルグループが歩んだ道のりを背景に、彼らの脱退、結婚、震災といった現実の出来事を通じて、深遠な人間ドラマが展開されます。SMAP×SMAPという大ヒット番組の舞台裏で、嵐のような時代を共に駆け抜けた鈴木おさむだけが知る真実が描かれています。

第1章「素敵な夢をかなえておくれ」-SMAP結成の裏側

本書の第1章「素敵な夢をかなえておくれ」では、SMAPが結成されるまでの軌跡が描かれています。彼らがどのようにして国民的スターとなり、多くの夢をかなえることができたのか、その過程が詳細に描写されています。

第5章「WELCOME ようこそ日本へ」-世界での挑戦と成功

第5章「WELCOME ようこそ日本へ」では、SMAPが日本だけでなく世界へと羽ばたいた瞬間を追体験します。世界中のファンとの交流や、異なる文化との出会いがもたらす感動が詰まったこの章は、読者にとっても新たな視点を得られる場面となっています。

第8章「20160118」-解散という衝撃

第8章「20160118」は、全国を震撼させたSMAP解散がテーマです。この衝撃的な出来事はどのようにして彼ら自身や周囲の人々に影響を及ぼしたのか、そしてその真実は何だったのかを鮮明に描写しています。鈴木おさむの筆致は、感動と悲しみに溢れ、読者の心を引きつけてやみません。正直、当時の権力者、そして無駄に忖度した人間達には憤りを覚えてしまいます。

著者のメッセージに込められた思い

本書は、放送作家としての鈴木おさむの32年間のキャリアを締めくくる特別な一冊です。彼自身が「誰かが記して残さないと、物語は消えていきます」と語るように、この作品には記録としての使命感が込められています。また、本書の印税がすべて能登半島地震の義援金として寄付される点も、多くの人にとって共感と信頼を呼び起こすでしょう。

明日への希望を抱くすべての人へ

「もう明日が待っている」は、単なる一小説にとどまりません。この作品は、夢を追い求め、困難を乗り越えてきた人々へのエールでもあるのです。鈴木おさむが自身の魂を削りながら書き上げたこの物語は、読者にとっても新たな希望を見出すきっかけとなるでしょう。一冊の本が持つ力を、これほどまでに感じさせる作品は他にありません。

終わりに

「もう明日が待っている」は、鈴木おさむが放送作家としての最後に贈る覚悟の一冊です。SMAPと共に駆け抜けた20年以上の歴史を振り返りながら、彼らがもたらした希望と絆を再確認することができるでしょう。この稀代の名作を手に取り、未来への希望を抱き続けるための一歩を踏み出してみてください。

鈴木おさむの著作「もう明日が待っている」は、まさに感動と共感に溢れる作品です。その真実とドラマティックな展開は、読者の心を深く揺さぶること間違いありません。ぜひ、本書を手に取り、その魅力を堪能してみてください。

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