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極夜の間、動物たちはどう過ごすのか?

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極夜という言葉を聞いたことがあるでしょうか?極夜は、北極や南極などの極地で、太陽が何日間、または数ヶ月にわたって地平線に昇らず、昼間がない状態のことを指します。日本ではあまり体験することはありませんが、北極圏や南極圏に住む動物たちにとっては、この極夜の期間はとても特別なものです。では、極夜の間、動物たちはどうやって過ごしているのでしょうか?この記事では、極夜の間に動物たちがどのように生活しているのかを、中学生にも分かりやすく解説します。


極夜ってどんな現象?

まず、極夜がどのような現象なのかを簡単に説明します。地球は、太陽の周りを回る軌道と自分の軸が少し傾いています。このため、北極や南極の周辺では、夏には太陽が沈まない「白夜」が訪れ、冬には逆に太陽が昇らない「極夜」が続きます。極夜の期間中、太陽は一度も地平線に昇らず、夜のように暗いままですが、完全な「夜」ではなく、薄明かりが続くこともあります。

極夜が続く期間は、北極圏や南極圏では数週間から数ヶ月に及ぶことがあります。例えば、北極圏の最北端では、約2ヶ月間も太陽が見えないことがあります。このような過酷な環境下で、動物たちはどうやって生きているのでしょうか?


動物たちの極夜の過ごし方

極夜の間、動物たちはどのように生き抜いているのでしょうか?寒さや暗闇の中で、彼らはどんな方法を使って生活しているのかを見ていきましょう。


1. 極夜に合わせた体内時計の調整

動物たちは、極夜の長い暗闇に適応するために、体内時計を調整する能力を持っています。体内時計とは、24時間をサイクルにして、動物の活動をコントロールする「生体リズム」のことです。通常、動物たちは昼間に活動し、夜間に休むことが多いですが、極夜の間では太陽が昇らないため、昼と夜の区別がつきません。

そのため、極夜に住む動物たちは、太陽の光を基準にした生活リズムではなく、地球の回転や気温、食べ物の供給などに合わせて生活リズムを調整します。これにより、極夜の長期間でも健康的に生活を続けることができるのです。

  • : 北極圏に住む動物たち(ホッキョクグマやシロクマなど)は、極夜に合わせて活動のタイミングをずらし、長時間の暗闇の中でも効率よくエネルギーを使えるようにしています。

2. 冬眠や休眠によるエネルギーの節約

極夜の間、気温が非常に低くなるため、食べ物を探すことが難しくなります。そんな中、動物たちはエネルギーを節約するために冬眠や休眠を行うことがあります。

  • 冬眠: 冬眠は、体温を下げて代謝を遅くし、エネルギーを最小限に抑えることで、長い寒い期間を乗り切る方法です。例えば、北極圏のリスやコウモリは冬眠します。冬眠中は、ほとんど食事を取らずに静かに過ごします。
  • 休眠: 冬眠とは少し異なり、休眠は完全に眠っているわけではなく、活動を大幅に減らして体を休める方法です。例えば、ホッキョクグマは完全に冬眠しませんが、寒い冬の間はエネルギー消費を抑えるため、餌を探す活動を控えることが多いです。

これらの方法によって、動物たちは極夜の間でも体力を保ち、春が来るまで過ごすことができます。


3. 適応した食物の探し方

極夜が続く間、食物を探すのも大きな問題です。食べ物の供給が限られているため、動物たちは工夫してエネルギー源を確保しています。

  • 肉食動物: ホッキョクグマやアザラシなどの肉食動物は、冬の間でも狩りを続けます。ホッキョクグマは、氷の上でアザラシを狩るため、雪と氷の下に潜んでいる獲物を探します。アザラシの穴を見つけ、そこから顔を出すタイミングを待つのです。
  • 草食動物: 草食動物も、冬になると食べるものが限られます。例えば、北極圏に住むカリブーやトナカイは、雪の下に隠れている植物を掘り起こして食べることができます。雪の下には苔や草が埋もれており、それを食べることで生き延びます。

4. 極夜の間の繁殖活動

動物たちが最も活動的になるのは、繁殖の時期です。北極圏や南極圏では、極夜の期間中に繁殖活動を行う動物もいます。これは、春が来ると日照時間が長くなり、食べ物が豊富に提供されるため、その時期に生まれた子どもたちが成長するのに最適な環境だからです。

  • ホッキョクグマ: ホッキョクグマは、冬の間に繁殖活動を行い、春に子どもを産むことが多いです。彼らは、極寒の中でエネルギーを節約しながら繁殖を行います。
  • ペンギン: 南極に住むペンギンは、極夜の時期に卵を温めたり、ひなを育てたりすることがあります。特に、皇帝ペンギンは厳しい寒さの中で集団で温まりながら卵を孵化させます。

5. 極夜における感覚の変化

極夜の間、暗闇と寒さの中で生活する動物たちは、視覚や聴覚、嗅覚などの感覚が一時的に変化することがあります。動物たちは、暗い環境に適応するために、他の感覚を使って周囲の状況を察知しています。

  • 視覚: 極夜では光が少ないため、動物たちは視覚よりも嗅覚や聴覚を頼りに生活することが多いです。例えば、フクロウやアザラシは、暗い中でも音や匂いで獲物を見つけます。

極夜に生きる動物たちの工夫

極夜の厳しい環境で生きる動物たちは、それぞれの方法で適応し、乗り越えています。体内時計を調整し、冬眠や休眠を利用してエネルギーを節約したり、限られた食べ物を探し回ることで、生き抜いているのです。また、極夜の間でも繁殖活動を行い、春に備える動物たちもいます。

極夜は厳しい環境ではありますが、動物たちはこの自然の中で生きるために、驚くべき適応力を持っていることが分かります。私たちが極夜を感じることは少ないかもしれませんが、極地に住む動物たちの生き様を知ることで、自然の厳しさとその美しさを改めて感じることができるでしょう。

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鬼読書

初めまして鬼読書 疲弊です。1日1冊ペースだと、ほんの274年で10万冊読破できそうです。たまに気になる世間のニュースについても語ります。

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