はじめに
近年、小学生や中学生の間でスマートフォン(以下スマホ)の使用時間が増え、健康面での影響が心配されています。その中でも「急性内斜視」という目の病気が注目されています。突然、目が内側に寄る症状で、視力の低下や頭痛などを伴う場合もあり、小中学生のスマホ使用との関連が指摘されています。本記事では、急性内斜視の原因や症状、予防法について解説し、保護者の方に役立つ情報をお届けします。
急性内斜視とは?
急性内斜視は、目の向きが正常位置から内側に偏る状態を指します。通常、両目は協調して物を見る「両眼視機能」を持っていますが、この機能が急に崩れることで、次のような症状が現れます。
- 突然、片目または両目が内側に寄る
- 視力の低下(物が二重に見える「複視」など)
- 頭痛やめまい
- 集中力の低下
急性であるため、これらの症状が短期間で一気に現れるのが特徴です。
スマホ使用との関連性
近年、スマホの長時間使用と急性内斜視の関連性が注目されています。特に、以下の行動がリスクを高めると考えられています。
- 近距離での画面注視
スマホを顔の近くで長時間見続けると、目の筋肉に過剰な負担がかかります。 - ブルーライトの影響
スマホ画面から発せられるブルーライトは、目の疲れを助長し、視力への悪影響を及ぼします。 - 連続使用による目の疲労
休憩を取らずに長時間スマホを使用することで、目の調節力が低下しやすくなります。
小学生高学年から中学生は、勉強や友達との連絡手段としてスマホを使う機会が増える時期です。この年齢層では、まだ発達途中の視機能がスマホによる過剰な刺激で影響を受けやすいことが懸念されています。
保護者ができる予防策
急性内斜視を防ぐために、保護者が注意すべきポイントを以下にまとめました。
- スマホの使用時間を制限する
1日あたりの使用時間を1~2時間程度に抑えるようルールを設けましょう。 - 定期的に休憩を取る
20分使用したら20秒遠くを見る「20-20-20ルール」を習慣づけると、目の負担が軽減されます。 - 画面との距離を保つ
スマホは目から30cm以上離して使用させるようにしてください。 - ブルーライトカット眼鏡の活用
スマホ使用時にブルーライトを軽減する眼鏡を使うことで、目の疲れを和らげます。 - 就寝前の使用を控える
就寝直前のスマホ使用は、目の疲労と睡眠の質低下を招くため避けましょう。
早期発見の重要性
急性内斜視は、早期に適切な対応を行うことで回復する場合が多いです。以下の兆候が見られた場合は、速やかに眼科を受診してください。
- 突然目が内側に寄る
- 物が二重に見える
- 頭痛やめまいが頻繁に起こる
- スマホを使用しているときに目を細める仕草が増える
また、眼科医に相談する際は、スマホの使用時間や習慣について詳しく伝えると診断に役立ちます。
まとめ
急性内斜視は、スマホの過剰使用が一因となる可能性があるため、小学生や中学生の目の健康を守るためには、日頃からスマホの使用状況に注意を払うことが大切です。スマホ使用ルールの設定や、定期的な目の休息を習慣化することで、急性内斜視のリスクを軽減できます。お子さまの健康を守るために、まずは家庭でできる対策から始めてみてください。
さらに知りたい方へ
お子さまの視力ケアやスマホ使用に関する具体的な相談は、眼科専門医や学校の保健室にお問い合わせください。また、スマホ使用のルール作りについて家庭内で話し合う機会を持つこともおすすめです。