2024年11月24日に千秋楽を迎えた大相撲九州場所では、大関琴桜が初優勝を果たしました。しかし、この優勝を称える内閣総理大臣杯の授与では、内閣の関係者が一切登場せず、代わりに日本相撲協会の八角理事長が代理で表彰状を読み上げ、総理大臣杯を手渡すという異例の対応となりました。この出来事は、相撲ファンや政界関係者の間でさまざまな憶測を呼んでいます。
内閣総理大臣杯、今場所は八角理事長が代理だそうで、場内がどよめいた#sumo pic.twitter.com/fQQQ9d3yvW
— 冬理 (@fuyuri19741019) November 24, 2024
過去の例に見る内閣関係者の授与役
九州場所では、通常、地元の国会議員や内閣の閣僚が内閣総理大臣杯の授与を行うことが多く、特に政権の象徴的なシーンとして注目されます。昨年の同場所では、岸田内閣の村井英樹・前官房副長官が授与役を務め、その「怪力」が話題になりました。さらに、2019年の九州場所では、地元福岡出身の麻生太郎元首相が和装姿で登場し、内閣と地方とのつながりを強調したことが記憶に新しいです。
このように、内閣関係者が登場することは大相撲の表彰式を彩る恒例行事であり、地元への政治的アピールや国民との親近感を高める機会でもあります。
あの「怪力すぎ」村井英樹官房副長官が登場。
— alps-papa (@alps_papa) September 22, 2024
40キロ内閣総理大臣杯抱え上げ、再び大の里に「自力授与」。
「おおお」場内どよめき、大の里もびっくり。
総理大臣が変わっても官房副長官の伝統芸として引き継いで欲しい。
令和6年大相撲九月場所千秋楽#村井英樹#大の里#sumo#大相撲#怪力すぎ pic.twitter.com/UCVGVoVVZx
石破内閣での不在の理由
では、なぜ今回、石破内閣の関係者が一切登場しなかったのでしょうか?以下に可能性を挙げてみます。
- スケジュールの過密
石破首相は就任直後ということもあり、内閣全体が非常に忙しい状況にある可能性があります。外交スケジュールや緊急課題への対応など、優先事項が重なり、九州場所への出席が困難だったのかもしれません。 - 新政権の姿勢
石破内閣は、就任当初から「シンプルで効率的な政治運営」を掲げており、象徴的なセレモニーへの関与を控える方針を取っている可能性があります。これにより、地方でのイベント参加を最小限に抑え、国政に集中する姿勢を示しているのではないでしょうか。 - 安全上の懸念
地方イベントへの出席には、多くのセキュリティ対策が必要です。現在の政治情勢やリスクを考慮し、内閣メンバーの地方移動を控える判断が下された可能性もあります。 - 不測の事態(三笠宮妃百合子さまの葬儀)
授与予定だった内閣官房副長官や副大臣が直前に、三笠宮妃百合子さまの葬儀への参列に対応せざるを得なかった。
法的根拠がないにせよ総理大臣杯は内閣総理大臣あるいはその名代が立ってきた。ここで皇族の葬儀がバッティングし、石破茂は内閣の末席を名代にたてずに葬儀に全振りした。
— 無知蒙昧の化身 (@SepiaSandCreate) November 25, 2024
皇族を立てたと見るか、バランス感覚を欠くと見るかは観戦者=国民=国家の主権者それぞれの判断でしょう?
画一的な答えはない
ひろゆき(西村博之)氏は六衛府さんのポストに「大相撲・千秋楽、恒例の内閣総理大臣杯授与に、石破内閣からは誰も派遣されませんでした」とあるのを見落としているのかも。尤も、首相が弔事に参加しているときに、その首相の代理が慶事に参加というのは、それはそれでまずいと感じる人もいそう。 pic.twitter.com/Qam42nnS4u
— A倉R郎 (@a6web0) November 26, 2024
石破内閣に期待される柔軟な対応
今回の内閣総理大臣杯の授与に関する対応は、石破内閣にとっては異例のケースとなりました。しかし、総理名義の表彰状が読み上げられ、八角理事長が代行したことで式そのものは滞りなく進行しました。こうした柔軟な対応は、日本相撲協会や関係者の尽力によるものと言えるでしょう。
一方で、政治と文化行事の接点を重視する国民にとっては、内閣の不在は寂しさを感じる出来事だったかもしれません。
出席できない理由など適切なアナウンスがあれば、無用な批判も回避することができるはずです。
石破内閣としては、今後の国民行事への関与について、もう少し具体的な方針を示すことが求められるのではないでしょうか。
短期間ではありますが、就任後の印象として、対外的なPRが不得手のような印象です。PR面をフォローするプロフェッショナルな人材を側近に置き、本人は業務に実直に専念できるような環境整備を整えるのも必要かもしれません。
今後への展望
大相撲は日本文化の象徴であり、その優勝者に対する内閣総理大臣杯の授与は、国民との一体感を深める大切な儀式です。石破内閣が就任後初のこの機会に関与しなかったことは、内外の注目を集めました。次回の本場所や、その他の文化行事でどのような姿勢を見せるのかが注目されます。新しい政権の価値観と行動方針が、国民の期待にどう応えるのかが問われる場面が続くでしょう。
もう少し、したたかに、国民人気を意識した演出も大事かと思います。小泉純一郎元首相のレベルに達するのは難しいと思いますが、今後の動きに期待したいと思います。
@nanahira Wikipedia「小泉純一郎」より。これをそもそも知らないんじゃないかと思い…>「痛みに耐えてよくがんばった! 感動した! おめでとう!」2001年5月の大相撲夏場所で横綱貴乃花が幕内で優勝し、その表彰式で内閣総理大臣杯を直接手渡した際の発言。
— シュルる (@knowsur) July 18, 2009